ソウルや釜山などの大都市とはひと味違う魅力をお届けするシリーズの韓国小都市旅行第9回は、全北特別自治道に位置する港町「群山(クンサン)」です。
西海岸に面する群山は、近代の面影をそのまま残した歴史的建物が立ち並び、まるでタイムスリップしたかのようなノスタルジーに浸れる街。映画のロケ地巡りやグルメ旅としても人気の高いスポットを巡るモデルコースをご紹介します。
群山(クンサン)ってどんな街?
ソウルから高速バスで約2時間半。群山は20世紀初頭の近代建築が多く残るエリアとして知られています。
日帝強占期に米の輸出港として発展した背景から、当時の洋風建築や日本式家屋が現在も大切に保存・活用されています。過去の痛ましい歴史を教訓として残す「ダークツーリズム」の側面を持ちつつも、現在はアートカフェやフォトスポットとして再生され、レトロでおしゃれな街歩きスポットとして若い世代からも注目を集めています。
時間を遡る、群山1日満喫モデルコース
09:30|群山近代歴史博物館から旅をスタート
まずは群山港沿いにある「群山近代歴史博物館」へ。群山の物流や近代史の変遷を体系的に学べます。3階の「近代生活館」には1930年代の群山の街並みが再現されており、タイムトラベル気分が一気に高まります。
- 旧群山税関: 博物館のすぐ隣にある、1908年に建てられた赤レンガ造りの美しい西洋風建築。SNS映えするフォトスポットとしても人気です。
11:30|新興洞の日本式家屋(旧広津家屋)
映画『タチャ 神の手』などのロケ地としても知られる木造2階建ての邸宅。保存状態が非常に良く、当時のたたずまいや庭園の様子をじっくり見学できます。
12:30|『チョウォン写真館』と映画の世界
名作映画『8月のクリスマス』の舞台となったチョウォン写真館(초원사진관)。作中に登場した写真館がそのまま残されており、昭和レトロな雰囲気が漂います。
14:00|東国寺(トングクサ)
韓国で唯一現存する日本式の寺院。創建当時の江戸建築様式を留めた本堂や、裏手に広がる竹林の静寂な空間が心落ち着くスポットです。
16:00|京岩洞(キョンアムドン)線路村
かつて工場へ原料を運ぶ貨物列車が家々のすぐ脇を走り抜けていた廃線跡。現在はレトロなお菓子やおもちゃを売る駄菓子屋、旧制服体験ができるショップなどが線路沿いにずらりと並び、ポップで懐かしい歩行者天国になっています。
群山で絶対食べたい!ご当地グルメ3選
1. 李盛堂(イソンダン)のあんパン
1945年創業、韓国最古のパン屋として知られる超有名店。ぎっしり詰まったあんとモチモチ薄皮の「野菜パン」「あんパン」を求めて、連日長い行列ができます。
2. 群山名物「水ちゃんぽん(ムルチャンポン)」
群山は中華料理の激戦区でもあります。赤くないあっさりスープに海鮮のうま味が凝縮された「水ちゃんぽん」や、汁気のない濃密なソースが特徴の「タマネギたっぷりのカンジャジャン」は必食です。
3. 海鮮チャンポンとワタリガニ醤油漬け(カンジャンケジャン)
港町ならではの新鮮な海鮮料理も見逃せません。贅沢にカニや貝が入った海鮮チャンポンや、比較的リーズナブルに味わえるカンジャンケジャン定食は、旅の満足度をぐっと高めてくれます。
アクセス&旅のワンポイント
- ソウルからのアクセス:
- 高速バス: セントラルシティバスターミナル(高速バスターミナル駅)から群山高速バスターミナルまで約2時間30分。
- 鉄道(KTX/SRT): 益山(イクサン)駅までKTXで移動し、そこからローカル線または路線バスで群山駅・市内中心部へ(約2時間)。
- 街巡りのコツ:旧市街地(近代歴史博物館〜チョウォン写真館〜広津家屋周辺)は観光スポットが集中しているため、徒歩で徒歩散策が可能です。京岩洞線路村やバスターミナルへの移動は、タクシー利用(所要10分前後)がスムーズです。
大都市の賑やかさとは異なる、しっとりと歴史を歩く旅ができる街「群山」。レトロな街並みを写真に収めながら、ゆったりとした時間の流れを感じてみてはいかがでしょうか?

