第何次?韓国ドラマブームに惑わされるな!
はじめに
韓国ドラマブームも何度目かわからないほどの盛り上がりを見せていますが、新作ばかりを楽しみに待っていてはもったいない!
2010年代には、恋愛要素よりも「仕事」「職業」「人間関係」に焦点を当てた、大人が楽しめる骨太な作品が数多く制作されました。これらの作品は当時話題になったものの、現在は新作の陰に隠れがちです。
しかし、40代の私たちだからこそ共感できる、働く人の等身大の悩みや喜びが描かれた珠玉の作品ばかり。今回は、そんな「隠れた名作」9作品をご紹介します。
1. ライブ ~君こそが生きる理由~(2018年)
あらすじ
交番で働く警官たちに焦点を当て、制服に隠された彼らの悲しみや喜び、傷跡といった人間的な姿をテーマに描く、心温まるヒューマンドラマ。就職難に苦しんでいた主人公が韓国の警察学校を卒業し、一人前の警察官になるために成長していく物語。
みどころ
- リアルな警察官の日常:事件中心のストーリー展開が一般的だった従来の警察ドラマとは違って、日常の些細な価値と正義を守るため、昼夜を問わず忙しく走り回り、事件を解決する交番の警官達が主人公
- ヒットメーカーのタッグ:「大丈夫、愛だ」「その冬、風が吹く」など温かい人間愛を詰め込んだ作品を執筆してきたヒットメーカー脚本家ノ・ヒギョンとキム・ギュテ監督のタッグ
- 群像劇の妙:複数の人物や事件が同時に進行していくのに、どこかで必ず繋がってまとまりが感じられる構成
- 出演:イ・グァンス、チョン・ユミ、シン・ドンウク、ペ・ソンウ
2. ファイティンガール!〜Miss Lee〜(2019年)
あらすじ
チョンイル電機で雑用係として働いていたイ・ソンシム(ヘリ)が、突然会社のCEOになってしまうというサクセスストーリー。明るく前向きな性格で、会社の小さな雑務を何でもこなしていた彼女が、倒産寸前の会社を救うために奮闘する。
みどころ
- 逆転劇の爽快感:平凡な会社員が突然CEOになるという設定の面白さ
- 労働者目線:働くってことを考えさせてくれるドラマとして評価が高い
- ヘリの演技:Girl’s Day出身のヘリが見せる自然な演技力
- 企業再建ドラマ:中小企業の現実と再生への道筋を描く
- 出演:イ・ヘリ(Girl’s Day)、キム・サンギョン、チャ・ソウォン
3. ストーブリーグ(2019-2020年)
あらすじ
万年最下位の野球チーム「ドリームズ」のゼネラルマネージャーとして就任した主人公が、チーム改革に挑む痛快スポーツドラマ。ファンに見放され、選手も士気が低いチームを、データ分析と緻密な戦略で立て直していく。
みどころ
- スポーツ×経営:野球を通じたチーム経営の面白さ
- データ野球:従来の根性論ではなく、科学的アプローチでの改革
- 組織論:どんな組織でも応用できるマネジメント論
- 痛快な展開:逆転劇の気持ちよさ
- 出演:ナムグン・ミン、パク・ウンビン
4. キム課長とソ理事(2017年)
あらすじ
大企業で働く中間管理職のキム課長と、彼の上司であるソ理事の職場コメディ。サラリーマンの悲哀を描きながらも、笑いあり涙ありの心温まる人間関係を描く。部下と上司の板挟みになる中間管理職の苦悩をユーモラスに表現。
みどころ
- サラリーマンあるある:40代男性なら必ず共感する職場の現実
- コメディ要素:重いテーマを笑いで包んだバランスの良さ
- 中間管理職の苦悩:上からも下からもプレッシャーを受ける立場のリアル
- 職場の人間関係:同僚、上司、部下との複雑な関係性
5. サバイバー:60日間の大統領(2019年)
あらすじ
国政監査中に国会議事堂で爆発事故が発生し、政府要人のほとんどが死亡。大統領継承順位によって突然大統領代行となった環境部長官が、国家の危機に立ち向かう政治サスペンス。
みどころ
- 政治サスペンス:緊迫感あふれる展開
- リーダーシップ論:突然トップになった人物の成長
- 国家危機管理:現実的な政治問題への対処
- 権力の本質:政治の裏側と権力争いの実態
- 出演:チ・ジニ、イ・ジュンヒョク
6. プロデューサー(2015年)
あらすじ
放送局のバラエティ番組制作現場を舞台に、プロデューサーたちの仕事と恋愛を描く。新人プロデューサーの成長と、ベテランスタッフとの関係、芸能界の裏側を等身大で描く。
みどころ
- 放送業界の内幕:テレビ制作の現場のリアル
- 職業ドラマ:プロデューサーという職業の魅力と苦悩
- 世代論:新人とベテランの価値観の違い
- 芸能界描写:スターと制作者の関係
- 出演:キム・スヒョン、チャ・テヒョン、コン・ヒョジン、IU(アイユー)
7. ペガサスマーケット(2019年)
あらすじ
経営不振のスーパーマーケットを舞台にしたコメディドラマ。元エリートサラリーマンが突然スーパーの店長となり、個性豊かなスタッフたちと共に店を立て直していく。
みどころ
- 庶民派コメディ:スーパーという身近な舞台設定
- 再生ストーリー:落ちぶれた主人公の再起
- チームワーク:バラバラだったスタッフが結束していく過程
- 社会風刺:大企業vs中小企業の構図
- 出演:キム・ビョンチョル、イ・ドンフィ
8 イケメンライダーズ~ソウルを駆ける恋(2016年)
あらすじ
イケメン3人組が、一念発起して人力車による観光案内会社を起業する。働きながら事業を軌道に乗せようと奮闘する、仕事に恋に頑張る等身大の男女を描いた成長&ラブストーリー。
みどころ
- 起業ドラマ:親友イケメン3人組が一念発起して起業する現実的なサクセスストーリー
- 等身大の描写:仕事に恋に奮闘する等身大のアラサー男女を描いた共感度抜群の成長&ラブストーリー
- 現代韓国の新しいビジネスモデルを背景にした設定
- 友情と恋愛:男同士の友情と恋愛関係の絶妙なバランス
- 出演:キム・ドンウク、イ・チョンア、チェ・ミン、チェ・ヨジン、ユン・ジョンフン
9. 医心伝心〜脈あり!恋あり?〜(2017年)
あらすじ
朝鮮王朝時代(17世紀)の名鍼灸師ホ・イム(キム・ナムギル)が、王の治療に失敗して追われる身となり、川に転落。目を覚ますと2017年の現代ソウルにタイムスリップしていた。現代の胸部外科医ヨン・ウニ(キム・アジュン)と出会い、400年の時を超えた医療ラブコメディが展開される。
みどころ
- タイムスリップ医療ドラマ:朝鮮時代の東洋医学と現代の西洋医学の融合
- キム・ナムギルの新境地:シリアス俳優が見せるコミカルで愛嬌たっぷりの演技
- メディカルコメディ:重いテーマを軽やかに描く絶妙なバランス
- 東西医学の対比:伝統医学の智慧と現代医学の技術の対比が興味深い
- 出演:キム・ナムギル、キム・アジュン、ユ・ミンギュ、ムン・ガヨン
なぜこれらの作品が「隠れた名作」なのか
1. 大人が共感できるテーマ
恋愛中心ではなく、仕事、家族、社会問題など、40代だからこそ深く理解できるテーマを扱っています。
2. リアリティの追求
美化された世界ではなく、現実的な職場や社会の問題を正面から取り上げている作品が多いです。
3. 群像劇の妙
主人公だけでなく、脇役一人一人にもドラマがあり、多角的な視点で物語が展開されます。
4. 社会派要素
エンターテイメントとしても楽しめますが、社会問題への問題提起も含んだ骨太な内容です。
5. 新作の陰に隠れている
話題性では新作に劣りますが、内容的には決して劣らない、むしろ深みのある作品が多いです。
40代男性におすすめする理由
職業への共感
どの作品も「働く」ことの意味や価値を深く掘り下げており、現役世代の私たちには特に響きます。
人生経験との重なり
恋愛だけでなく、仕事、家族、友人関係など、人生の様々な局面での悩みや喜びが描かれています。
社会問題への関心
年齢を重ねるにつれて高まる社会への関心に応える内容が多く含まれています。
落ち着いた鑑賞
派手なアクションや過度な恋愛描写に頼らず、じっくりと人間ドラマを楽しめます。
まとめ
新作韓国ドラマの話題に流されることなく、これらの2010年代の隠れた名作にも目を向けてみてください。きっと、今の自分だからこそ深く理解できる名シーンや名セリフに出会えるはずです。
韓国ドラマの真の魅力は、最新作だけにあるのではありません。時代を経ても色褪せない、普遍的な人間ドラマがそこにはあります。
コメント